福島の実家から両親が来てくれた。
私が安定期に入ったので、巻くための腹帯を作ってくれたらしい。他にも、宮城の塩竈神社で祈祷してくれた安産祈願のお守りや、途中のサービスエリアで買った生鮮野菜なんかも持ってきてくれてありがたい。冷蔵庫がパンパンだ。
母が作って来てくれたホッキご飯を一緒に食べる。ご飯を作らなくていいのは本当に楽だ。里帰り出産の相談なんかもしながら、食事後に腹帯を巻いてみる。
綿で作った長ーい帯なので、巻くのにちょっとコツがいる。今の時代、妊婦用品売り場に行けば、腹巻きやらコルセットやら売っているので私もそれを使っていた。腹帯なんて手間のかかかる前時代的なものを巻くのはあくまで安定期に入った儀式のようなもので、普段使いするものじゃないと思っていたんだけど、着けてみて驚いた。
なんじゃこりゃ!すごい!めっちゃ安定する!
母親が、巻きやすいようにちょっと形をアレンジして作ってくれたおかげもあるんだろうけど、長時間着けてても緩まない。腹帯の上から市販の腹巻きとかコルセットを着けると更に安定感アップ。
普段使いどころか手放せなくなりそうだ。トイレのたびに帯を持ち上げちゃうから後から巻き直さなきゃいけないけど、そのめんどくささを差し引いても着けたいほどの快適さ。
よく考えたら、市販のコルセットやらが手軽に手に入る時代になったのはせいぜいここ数十年くらいからだろうけど、それよりずっと、ずっと、ずーっと前から妊婦さんは存在していたわけだ。現代まで受け継がれてる伝統は、妊婦さんたちや医学が有効だと思ったり快適だと思ったものが残るのは当たり前なわけで。
そんな当然のことに気付かされた日だった。
腹帯は一枚しかないのでもう一枚縫ってもらおうかな。