沈殿物を撹拌

思ったこととか感じたことの備忘録です。

親になって1ヶ月半

息子が生後45日、1ヶ月半になった。

 

周囲から「最初は大変だけど、1ヶ月半くらい経ったらリズムが付いてくるから楽になるよ」と言われていたが本当だ。夜は大体寝てくれるようになり、グズる時間、あやし方、オムツの替え時などなどなんとなく把握できるようになって来た。

 

自分のお腹からズルリと我が子が出て来たとき、感動!感激!涙!とは到底ならず、とにかく出産が終わったこと、元気な産声をあげてることに安堵し、その後は赤ちゃんって育てたこと無いんですけどどーしたらいいんですかねこれは、って感じだった。

とにかくおっぱいをあげてオムツを替えてこの子が無事に生存して快適に過ごせるように神経をとがらせていた。母性というより責任感だ。なんだか、将来有望だけど手のかかる新入社員の専属教育係に任命された気分に似ている。我が家という会社に終身雇用で入社したのが息子、って感じだ。しかし人事と配属を決めたのは神様である。

 

産前は、ホルモンバランスの変化による気分の浮き沈みや産後クライシス、鬱などの症状も不安だったけど、自分自身の心身には驚くほど影響はなかった様子。

世間(主にネット)では、現代で子供を産み育てることがどれだけ大変でつらいか、という情報に溢れている気がするし、その心構えはもちろん必要だとは思うけど、それ以上に楽しく充実している人も多いって情報も大事だと思う。少なくとも、現時点で私はそうだ。

「赤ちゃんのお世話は大変!働いてる方がよっぽど楽!」という意見もあるが、私はそうは感じない。もちろん、勤めている時は楽しかったし充実していたけど、アパレルECサイト運営という前職は日々の業績と予算突破が責務で、景気が不透明なご時世ではそれはなかなか難しかった。売り上げは現状維持ができれば御の字で、曲線はどうしても緩やかに下降気味になっており、それをいかにせき止めて回復させるかに頭をフル回転させていた。しかし大体の試みはカンフル剤にもなり得なかった。これは私の実力不足なのだけれど。

 

それに比べて、まぁ育児たるや!

おっぱいを与えて、オムツを替え、抱いてあやし、寝せて、お風呂に入れて…のルーティンを繰り返していれば、成長曲線は自然に上昇する育児の楽さたるや!!

しかも子供は勝手に成長するらしい。別に一念発起したり、やる気を出さなくても、勝手に立って、歩いて、喋り出すらしい。そりゃすげぇ。

 

そう思うと、我が子との時間は大変だとか辛いなんぞ言ってるヒマはない。大人がボヤボヤとしているうちに息子は勝手にどんどん成長してしまう。今のうちに目の焼き付けてよく声を聴いてたくさん触って、一瞬を楽しんでおかないともったいない。

特に、私も主人も、「自分は結婚できないかもなー」と思っていた時期もあったのだ。それが縁に恵まれ子供まで授かれた。もしかしたら、我が子のオムツを替える経験もないまま、介護で親のオムツを替えるようなパラレルワールドもあったわけで、っていうかその可能性の方が大きかったのに。そう考えると息子のウンチを拭く時間すらしみじみと感じ入る。

 

1ヶ月半経って、責任感がようやく母性に変化してきたのを感じる。我が子の為なら身を呈することも命を差し出すことも全然厭わない。っていうか、我が子がツラい思いをするのは想像するだけでもツラすぎて、それに比べたら自分の身などどうでも良くなる。ほほぅ…これが母性か。

息子にはできる限り明るく楽しく素晴らしい未来が待っていてほしい。少子高齢化…教育改革…外国人労働者の受け入れ…時代はキャッシュレス…、昭和生まれの私たち夫婦には想像し得ない未来だけれど、「仲良く元気な家族」という環境がマイナスになる時代は来ないだろう。それだけは心がけていきたい。